リンゴの
キセキ

リンゴの<br>キセキ

My Mapの中には、リストアップしてはいなかったのですが、よくよく考えてみたらこんなに身近で、ワクワクさせてくれたり、助けてくれたりと、MacをはじめとしたAppleのプロダクツが現代に存在しなければ、こんなにかろやかにデザインの仕事はできなかったでしょう。

もしジョブズが、Appleが存在しなければ、大きな機材と、広いスペースと、多数のスタッフをかかえたりしないと仕事は成立せず、日々右往左往としていただろう。ありがたや~。なむ。

スティーブ・ジョブズが亡くなった時(会ったこともない人にそんな行動をしたことはかつて無いけど)は、感謝の想いをフォームに書いて思わず送信させていただきました。
その時のAppleサイトのスクリーンショット。アプリのアイコンデザインなど今見ると懐かしい。

他にも送られているであろう、たくさんのメッセージはどうなったのかなぁ?と、思い出してググってみたら、ひそやかなサイトを作っていました。知らなかったがこういう穏やかなアプローチはいいなぁ。
www.apple.com/jp/stevejobs

2013年にネルソン・マンデラが亡くなった時もサイトTOPを変えていたけど、誰も彼もやるのではなく、その人選に思想が見え、また企業の人格もよく見える。

遡れば、昔のMacにはより人間味や人格がとても感じられた。Machintosh PlusとかフロッグデザインのSE/30などのマシンのデザインもさることながら、マウスをワンボタンにするなど、あえて機能を減らしユーザビリティを上げるといったアプローチにはとても思想を感じた。

そんな中思い出したのが、Mac vs PCというまさに擬人化したCMシリーズ。明らかにWindowsとの比較でオリジナルのPCは明らかにビル・ゲイツを意識した人物。吹き替えや字幕で充分伝わると思うけど、なぜだかこの時は、日本Verをわざわざラーメンズの2人をキャストして、ちょっと違うニュアンスものになってしまった。当時、海外の比較広告は強烈で面白かったけど、日本はそのあたりの表現はマイルドで、PEPSIのMCハマーのCMは放送禁止になっていたりした。なつかしい。

Macの話に戻そう。

「♪ジャーン」と立ち上がる起動音もいいし、それと共に出てくるHappyMacもかわいかった。年一回出てくる「HappyBirthday」とか「HappyNewYear」のメッセージとか、何で無くしたのかなぁ。クラッシュしても爆弾が出てきて「まあ、しゃあないか」と許せたりとか、そういったアイコンを媒介にした人間味あるコミュニケーションはとても画期的だった。

何か変な音かと挙動をMacが始めたら「がんばれ!今は逝かないで!」と何度もMacに声掛けをして励ますという、まことにアナログな対処法にけっこう応えてくれたりもした。(それは今でもやる)機械とはいえ、それ以上の相棒のような存在感あるモノ。今の世の中、そういったプロダクトが少なくなった。現在のAppleも微妙になりつつある気がする。

やっぱり企業や商品も、
人間味が大切だとつくづく想う。

デザインの仕事ではじめに使い出したのがQuadraだったか。まだまだ書体は少なかったけど、これからは写植屋さんに指定しなくても自分で自由な文字組ができるのがうれしかった。それからデザインのレイアウトや色指定のシミュレーションには重宝した。今までいくつもいくつも手作業で確かめていたものがすぐに試せて、作業時間が飛躍的に少なくなった。

個人的に最初に購入したのが、Power Mac 8500。当時の自分にしては高かったけど、それ以前のMacに比べると断然のコストパフォーマンス。いろいろと拡張したり、モニタもEIZOにしたりして、楽しんで使い倒していたなぁ。マウスは、使いにくいけどかっこよさ優先で、無理して初期の角型を使っていた。
フォトショで画像関係の入稿も始めたころか。それまではCG屋さんに頼んでいたものが、自分でできてしまう事にけっこうなワクワクを感じたのを覚えている。フルデータ入稿はまだ先で、当時は創った画像をピクトログラフィなどで銀塩プリントして反射原稿にして入稿していた。

その頃はサードパーティ興隆の歴史でもあり、UMAX SuperMacというウネウネとした筐体のものを一時使っていた。CPUが2個入っていたり、ZIPHDを増設したりパワーの限りをUP DATEして使っていたけど、OS8での終了と共にあっけなく終了。今思うと未練をあまり感じないのはMacとの明らかな違いなのか。

この当時はAppleでも、StyleWriterというプリンターを出していたんだけども、いろいろと今ひとつだった。ALPS MD-1000がデザインも機能もよかった(深澤直人デザインとは後から知った)。ちなみにAVOCETという時計も似たようなテイストでどちらも購入したのだか、これも深澤さんだったみたい。これらは未だに棄てられないで家のどこかに居るハズ。

写真は身の回りで置いてある今は使っていない昔のモノ。初期型マウスは、カクカクとした感じがFIAT Pandaみたいで好きなデザイン。その後、ボタンや機能を増やしたり少し迷走してたけど、現在のはシンプルでいいですね。
このiPodも、ホイールも回すとコリコリといいサウンドがして、インターフェイスも昔のMacみたいでChicagoフォントでよかった!裏の鏡面仕上げもピカピカ、ちなみにわたしのは傷だらけだったけど、それでも美しくビンボーくさくならないところがサスガと思いました。
iPhoneもホントはケースに入れないで使いたいんだよなぁ。カメラの性能はもういいから、レンズの飛び出しナシのバージョンを出してほしい。
SadMacは、ハマビーズでヒマな時につくってたもの。いろいろとアイコンとかロゴとかつくってたけど、どこかにいってしまった。

それからアップルのロゴについて、齧られたリンゴの意味は諸説あるけど、アップル自体が全然それらに対して何も言及していないのがクール。外野が勝手に騒ぐ理想形。COMME des GARÇONSにもそんな雰囲気がある。王者にしかできない佇まい。かっこいい。普通は、聞かれてもいないけど説明を語り始めてしまう。

昔のレインボーロゴ。これも実は6色で、リンゴのヘタの色を変えれば7色にできるが、しなかったのも何か訳はあるんだろなぁ。。と思っていたけど実は英語圏では藍色が無く虹は6色というのが一般的のようだ。

ロゴタイプもaの小文字がピタとくる昔のもの。クセが強く古く見えてしまうけど、ひと回りして今の要素を入れるとアリなんじゃないかと思い、少しデザインのスタディをしてみたけど可能性は感じる。

企業のロゴタイプがどんどんクセを少なくして万人に受けるノームコアなテイストだらけになっている昨今に、デザイン・カウンターを入れるにはいいのか。と、まあでも、もはやリンゴアイコンさえあれば分かるのでロゴタイプが要らない企業のひとつだけどね。

こういった、カタチあるものをキチンとプロダクト・アウトをしている企業が、時価総額の上位にいるのは健全でいい。応援したい。FacebookやGoogleとか、使っているけど直接お金を払ったことが無い企業が上位にいるのは、やっぱり今ひとつ腑に落ちないところがある。

ピカソの事を「Vitality」と言っていた記事で、アップルは「Religion」。ジョブズが教祖の宗教か。新商品をその日に手に入れたり、最新のマシンを常に持っている信者なユーザーは結構いますね。わたしは、そんな熱狂的にはできなくて用心深い様子見タイプ。iPodやiPhone、iPadなどの新製品は全て出てから何年かしてユーザーになるくらいで、AppleWatchはまだ持っていない。プールで何m泳いだかが分かるのは魅了的だが。デザインの原型であろうMarc NewsonのIKEPODは、当時一瞬買いそうになったけど時計屋さん行って値段見て完全に諦めた。

PowerBook G3(もう手元にはないけど、けっこういいデザインだった)が出てからは、ずっとBook派。デスクトップはやめて、この小さなBookをメイン機種として全部イケるんじゃないかと確信。Airが出るまでの歴代Bookは、どれも重かったなぁ。3kg近くあり、ほぼ車移動でも、毎日肩こり。それでも、Bookのかろやかさが自分にあっていた。リアルなデスクトップも広くなるしね。でも苦言を呈するとジョブズ亡き後は、残念ながら以前のデザインを棄てれていない。近年は、同じデザインの延長線上のまま、スペックとカラーだけがちょっとづつアップデートしている感じなのか。

かつてあった新しい製品が登場するたびに、以前のデザインが古く見えるというAppleマジックを久しく感じていない。特にノートブックの背面のリンゴを光らなくしてしまったのはまことにはツマラナく思う。
Apple!もう一度リンゴを光らせてはくれまいか (㊀ö㊀)